昨年と同様に簡素化して行うことになり、3月2日(火)午前10時から県立国際高等学校16回目の卒業証書授与式を行いました。16回生116名が卒業しました。今年度も、担任の先生が一人ひとりの名前を呼び、学校長がクラスの代表生徒に卒業証書を手渡しました。
校長先生の式辞では、思い通りにならなかったこともあったと思いますが、それも人生であり、国際科、グローバル価値観の多様化、予期せぬ事態、災害等の変化の激しい社会で生き抜いていかなくてはならない中、暗い面ばかりを見るのではなく、①明るい面を見出す力、②激しい変化に対応する力、③社会に貢献する公共性など能力、④しっかりとした人格の形成が必要となりますと述べられました。そして、卒業生のはなむけの言葉として大きく3点上げられました。
(1)” Every cloud has a silver lining.” 英語のことわざを引用して、今年度は、年度当初からコロナ禍により1学期当初より長期休業となり、総体や海外交流など多くの行事・イベントがなくなってしまいましたが、皆さんが柔軟にそのような変化に対応することが出来たからこそ、本日の卒業式を迎えることが出来ました。ただ、今後もこのような状況が改善したわけではなく、いつまで続くのかわかりませんが、明けない夜はない、やまない雨もない、分厚い雲の裏側にも必ず希望の光がありますと伝えました。
(2)アメリカのスティーブン・コビー氏による言葉を用いて、変化するための能力のカギは、自分が誰なのか、何を大切にしているのかという変わらぬ意識を持つことで、この変化に激しい時代こそ、個性主義ではなく、自己を見つめ、誠実、忍耐、勤勉など本来内面にある人格的なことや変わらない自分の芯を大切にすること、公的な視点を持つことが成功のカギであると述べられました。さらに、日本の資本主義の父である渋沢栄一氏のことばで己を知り、時代の変化に対応する柔軟性としっかりとした志を持つという記述があり、一過性で自分の利益だけを目指すのではなく、持続可能でより多くの人に貢献すべきであること。つまり我々が何を変えるのか、どんな変化に対応するのか、そのような中でも変わらざる自分の芯が必要であると伝えました。また、今後の人生の歩みの中で失敗を恐れず、色々なことに挑戦をしてほしい。小さな失敗により自分の大切なことが見えてくる。悩んで困った場合は、一度立ち止まって自分自身のことについて考えることで、次の一歩が見えてくると伝えました。
(3)最後は国際高校らしく、すべて英語でメッセージが述べられました。いつか小さいことでも良いので、誰かのために声をあげ行動し、社会に貢献してください。国際社会に貢献できる人材を教育目標に掲げる本校から巣立つ皆さんだからこそ、これからの世界の担い人として活躍することを期待していますと卒業生に向けてアドバイスを述べられました。
PTA会長のご祝辞では、卒業生の皆さんはまだまだ若く無限の可能性を秘めており、『石は研がれてこそ輝く』。英語を学びたい、世界に羽ばたきたいとそれぞれの意思で入学した国際高校の学びを糧に今こそ飛び立ち、恐れず挑戦してください。そのような皆さんを保護者、先生も応援してくれています。どんな時でも希望・誇り・自信をもって笑顔を忘れず、その一歩を踏み出して下さい。ということばがありました。
次に在校生送辞があり、自分たちにとって16回生の先輩は自立し、協力し、自発的に行動する、あこがれの存在でした。2年次の文化祭の模擬店の時では、流行を取り入れた工夫で、私たちを楽しませてくれました。今年は、新型コロナウィルスによる影響があった中、体育祭では年次の団結力を見せ、3年次のみならず、全校生を巻き込んだパフォーマンスを見せてくれました。私たちは先輩としての在り方を学び、一生懸命で光り輝く姿を見て、そのようになりたいと思いました。今後も困難があっても、県立国際の仲間たちがかけがえのないものになるでしょう、と話しました。
それに対し卒業生答辞があり、楽しいこともたくさんあった一方で、困難なこともたくさんありました。通学途中におきた大阪北部地震、台風21号、新型コロナウィルス感染症の感染拡大、先輩の姿を見てあこがれ続けた3年次での文化祭も中止となりました。さらに、大学入試改革という変化にまで、向き合わなくてはならなかった。振り替えてみれば、2年次の文化祭や海外研修、球技大会で年次で団結し、最後の体育祭では、時間など制約もあったが、全員がダンスの練習に励み、後輩を巻き込んで成功に導けたと話がありました。最後にこの三年間支えてくれた、仲間、先生、家族に感謝し、16回生の全員に出会えたことで、一生忘れない大切な思い出になったことに感謝しました。
続いて「仰げば尊し」「校歌」を3年生のみ1番だけをそれぞれ歌いました。